第19回 グレーブヤード・モデル
ブランドの強さを分類する手法として、「グレーブヤード・モデル」というものがあります。
消費者がブランドを識別する能力をブランド認知と言いますが、ブランド認知には2つの種類があることをご存知でしょうか?
1つは、ブランド名やロゴなどを見たときに思い出せるかどうか。これをブランド知名度(または再認率)といいます。
もう1つは、掃除機と聞いて思い浮かぶ製品は?と質問した際に、思い浮かぶものをブランド想起(または再生率)といいます。
グレーブヤード・モデルを用いると、消費者にとっての自社のブランドポジションを確認することが出来ます。具体的な手法を説明します。
まず、縦軸にブランド知名度を横軸をブランド再生とした2軸グラフを用意します。そして、アンケート調査などによって得られた結果から、比較するブランド名をプロットしていきます。この時、原点(0.0)から斜め右上45度に直線を引きます。
この線の左上部に集まっているブランドは認識はされているが、思い出されにくいブランド。つまりグレーブヤード・ブランドとなります。グレーブヤードとは、英語で墓場を意味しており、存在感の薄くなってしまったものという意味があります。
一方、直線上の左下部分(原点に近い位置)にプロットされたブランドは、認識もされず、思い出されもしないブランドは無名ブランドとなります。
逆に直線上の右上部、認識が高く、思い出されやすいブランドは、スターブランド。
右下部分、つまり認識はそれほどされないが、良く思い出されるブランドはニッチブランドとして独自の地位を構築していることになります。
ロゴやブランド名は、広告などで伝達しやすい一方、ブランド想起は簡単に形成することが難しいとされています。そのため、多くのブランドは、認識はされても、利用シーンなどで思い出されることが少ないグレーブヤードに陥りやすいと言われています。
企業は、自社のブランドポジションが、現在どの位置にあるのかということを把握した上で、商品戦略やプロモーション戦略を構築していく必要があるということですね。
次回は、「ゲートウェイ戦略」についてお話します!
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